温暖化対策で太陽光発電に注目が集まる。家庭への導入を進める国の補助制度が4年ぶりに再開し、余った電力の買い取り制度も検討され活気づく。業界団体「太陽光発電協会」などの説明を基に導入のポイントをまとめた。
Q どんな家に付けられるの?
A 日本列島の位置から、太陽電池パネルは南向き、傾斜30度で発電量が最大になるので、こんな屋根を作るのが理想的です。真東や真西向きで発電量は16%減、傾斜も水平の0度や60度で10%減です。ただ、発電を増やそうとパネルの向きを変えるより、強風対策などの点で屋根の形に合わせて置く方が無難です。北向きは37%も減るので不向きです。
平均的な導入例は、発電容量3〜4キロワットでパネルの大きさが25〜30平方メートル程度。屋内に、作った電気を家庭用の交流電気に変える装置(パワーコンディショナー)を設置します。この容量なら、売買電の収支がトントンで電気使用料が「ただ」になります。
Q どの地域が向いているの?
A 主流のシリコン結晶系のパネルは温度25度で最も発電効率が良く、高温になるほど効率が下がります。日本の気象条件ならばどこでも大差ありません。発電量は曇りで晴天の10〜50%、雨天で5〜20%です。雪が積もっているとパネルに光が届かず発電できないため、雪の多い地域では傾斜を急にして積雪を防ぐ工夫が必要です。都市部ではビル陰が問題になります。
Q 耐震性の問題は?
A 重さは瓦の約4分の1。傾斜のある屋根に付ける場合は問題ありません。屋上が平らな場合、パネルを斜めにする架台などを設けるため重くなります、建物が荷重に耐えられるのか確認します。
Q 集合住宅では。
A 新築分譲の場合は問題ありませんが、既設分譲では、屋上への設置は全住民の合意が必要でしょう。賃貸では、設置費の負担(大家)と余剰電力の売却益(借家人)を調整する必要があります。ベランダの手すりや壁に付けるタイプもありますが、パネルが小さく割高かもしれません。
Q 何年で元が取れるの?
A 現状ではほぼ寿命の20年前後です。これを10年で元が取れるように、国会で余剰電力の新たな買い取り制度を審議しています。
経済産業省の試算では、新築住宅で3・5キロワットの装置を設ける場合、費用は約185万円。国の補助(1キロワット当たり7万円)や自治体補助(同平均3・8万円)、住宅ローン減税、発電による電気代減少で約100万円が回収できます。残りを売電収益で賄うため、現在の1キロワット時当たり24円程度の売電単価を48円に上げるのが新制度の狙いです。
既設住宅でも、工事用の足場設置などで費用が2割増えますが、省エネ改修減税などを合わせ最長15年で元が取れるそうです。自治体の補助は、最も手厚い東京都で今年度から1キロワット当たり10万円、さらに新宿区が同18万円を国や都の補助に加算するなど、地域差があります。
なお、パネルなどの製造に要した電力相当分を太陽光で発電し、温室効果ガスの排出量を差し引きゼロにするには、シリコン結晶系で1年半〜2年半かかるそうです。
◇政府計画、20年に05年の20倍 電気料金の値上げも
政府は太陽光発電を20年に05年の10倍、30年に40倍にする計画だが、さらに新たな買い取り制度で20年の導入計画を3〜4年前倒しし、20年には20倍へと拡大する構えだ。
しかし、買い取り価格の上昇分は電気料金の値上げに跳ね返る。「太陽光発電に投資できる人のため、貧しい家庭の負担が大きくなる」との声もあるが、経産省は「ドイツは1世帯月約360円の負担増で太陽光発電を広めたが、日本では月100円程度に抑える」と説明する。
燃料電池など他の装置も加えて「ダブル発電」した場合の余剰分をどう算定するかなど詳しい制度設計は今後の検討課題だ。
景気低迷も不安要因だ。太陽光発電の導入世帯全国一の愛知県は、3分の2の市町村が補助制度を設け、好調だったトヨタなど自動車関連工場の多い三河地方で数を増やした。だが、田原市が今年度の補助額を減らすなど影響が出始めている。
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<太陽光発電導入戸数>
1 愛知県 23115
2 福岡県 21473
3 埼玉県 19349
4 静岡県 19345
5 大阪府 19167
…
43 鳥取県 1990
44 石川県 1910
45 山形県 1685
46 青森県 934
47 秋田県 812
全国計 401794
※07年度までの販売累計(太陽光発電協会調べ)
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